2025年のヨーロッパ旅行に、ポルトガルを選んだのは、スペインとは歴史的に”きょうだい”のような国なので、バスク地方のライフスタイルイルや街づくりと比較してみたら面白そうと思ったからです。それに女子友から「私も行ってみたいと思ってた」「食事は素朴だけど日本人向きだよ」「ヨーロッパの中では旅費安めで安全と思う」という声もあって背中を押されました。

では、どの都市に行くか・・。例の「旅の信条」に見合うと思ったのが首都リスボンより「ポルト」でした。実際、情報収集で見た動画以上に 愛らしくて街の規模感がよく、かなりの人出なのに騒々しいこともなく、心地よい空気に包まれた街でした。
バスクではバルが朝から夜遅くまで街の食堂であり溜まり場でしたが、ポルトはそれをカフェ、特に古くからのベーカリーカフェが担っています。出勤前の人や老夫婦の朝食、学生らしき青年同志のブランチ、仕事途中で立ち寄ったらしき男女の休憩、いろんな年代がいろんな使い方をしています。




ポルトガルといえば、Paste’is de nata 通称エッグタルトが有名でベーカリーには必ずあります。どこの専門店が美味しく人気があるかは別の記事に譲るとして 私が一番驚いたのは、ショーケースのパンがどれもこれも「まっ黄色」なこと!サンドイッチは殆どの店が具材を挟んでプレスしたホットサンドです。(クロワッサンまでぺしゃんこなのはちょっと哀れに見えましたが)黄色いパン生地の謂れが気になり観光局の方に教えてもらいました。
ポルトガルがカトリック教であることが食文化に繋がっていて、パンやお菓子が黄色いのは、その昔修道院で洗濯用糊に卵の白身を使い、捨てていた黄身でお菓子やパンが開発されたからだそうです。今もその名残りで黄身をふんだんに使うのがポルトガルの特徴なのです。(あまった白身はどう利用しているのでしょうね?)

お菓子は砂糖もたっぷりです。ポルトガル菓子の代表パン・デ・ローは、日本のカステラの原型で、素朴な甘さは子供の頃を懐かしく思い出します。現地で買った本のレシピでは、18㎝ホールでなんと黄身9個と白身2個分、お砂糖は小麦粉3倍の100g。ちょっとぎょっとしました。


ポルトで最も人気で入店予約も大変なLELLO書店の帰り道、観光客で賑わうエリアからはずれた雑居ビルの1階に「ザ・コーヒー」というカタカナ看板をみつけて思わず入りました。客層は若くインスタでの評判の為か、ベーカリーカフェの人とは気配が違います。コーヒー豆、焙煎、入れ方、器には一貫したこだわりがあり、スイーツは素材を生かした甘味抑え目なものでした。他の国の主要都市にも見られるカフェスタイルです。新旧のスタイルが共存しているのは街が生きてる証です。特にベーカリーカフェは、街のくらしの中にひときわ混ざって過ごしたい旅行者には元気でいてほしい存在です。
ヨーロッパAI
ヨーロッパを旅して30年。建築やグルメ、ライフスタイルと幅広い分野で執筆。最近はエイジングライフを切り口にしたコンサルタントとしても活躍中 !
