ピエール マルコリーニ

PIERRE MARCOLINI(ピエール マルコリーニ)

ブリュッセルのグラン・サブロン広場にある本店をはじめ、ベルギー国内に15店舗を構え、パリ、上海、ドバイなど世界各地にも進出しています。日本には2001年に初上陸し、銀座本店をオープンしました。2025年4月25日に福岡の「ワン・フクオカ・ビルディング店」をオープンし、全国で16店舗を展開しています。 2020年10月、ミラノで開催されたWORLD PASTRY STARS 2020で、「ピエール マルコリーニ」は世界最優秀パティシエ - Best Pastry Chef in the world を受賞しました。

ベルギーチョコレートのブランド、ピエール マルコリーニのチョコレートの特徴とは。

ベルギーを代表するショコラティエ「ピエール マルコリーニ」。今年2025年にブランド誕生から30周年を迎えます。ブランドの始まりは14歳の頃、母親が作ってくれたチョコレートの味が忘れられず、ショコラティエを志し、数々の名店で修行を重ねた後独立しました。また2015年にはベルギー王室御用達を授与。世界中でも「斬新な」「時代の先を行く」「先駆的な」「革新的な」ショコラティエと評価を受けています。

ピエール マルコリーニ

©︎Pierre Marcolini Japan

ピエール マルコリーニの最大の特徴はカカオへのこだわりであり、20年以上にわたり、Bean to Bar(カカオ豆からチョコレートになるまでを一貫して行う製造スタイル)を追求し、質の高いチョコレートづくりを行なっています。

グラン・サブロン広場にある本店

グラン・サブロン広場にある本店 ©︎Pierre Marcolini Japan

グラン・サブロン広場にある本店

本店の店内 ©︎Pierre Marcolini Japan

世界の農場を巡って厳選するというカカオ豆へのこだわりとは。

上質で希少なカカオを求め、毎年世界中を旅してきたそうです。最高品質の味わいのために、20年以上にわたり自らの手でカカオ豆からチョコレートをつくることに情熱を注いできました。訪れる国が1年に30カ国を超えることも珍しくないのだそう。マルコリーニ氏のつくる独創的な作品は、驚きと発見に満ち溢れた旅そのものと言えます。旅で得た喜びをチョコレートに表現し、感動を分かち合いたいという強い想いを胸に、マルコリーニ氏は今日も世界を巡っているそうです。

ピエール・マルコリーニ

©︎ Travel Europe

また、ピエール マルコリーニは、カカオ農園と生産地を守るために、公正な価格を支払うことをモットーにしています。最高品質のカカオ豆のみを厳選し、サステナビリティを尊重して、倫理観を持ったチョコレートづくりを目指しているそうです。彼はチョコレートを通じて人々に幸せを運び、同時にカカオ農園の人たちの想いを届けたいという情熱を「Bean to Home®」という言葉で表現しています。そこには、チョコレートを味わいながら、カカオ農園の人たちやカカオがたどってきた軌跡に思いを馳せて欲しいという願いが込められています。

日本へ出店したきっかけは。

日本は、そのルーツ、伝統、技術を守り育みながら、現代へと進化している国として知られています。中でも職人技は高く評価されており、職人は国が誇る存在です。2000年代初頭、日本という国を多くのベルギー人がまだよく知らなかった時代、私にとって、とても印象に残りました。

また日本のマーケットでは高い基準が望まれます。すべてが清潔、正確かつ丁寧に作られていなければなりません。これが生産レベルを高め、常に高みを目指すモチベーションになるのだと感じました。私が日本への出店を決めたのは、「この国で私の商品を皆さんに知ってもらいたいと思ったからです。」とマルコリーニ氏。

日本とベルギーの食の共通点などありますか。

食の共通点については、両国の料理は性質が大きく異なり、類似点はほとんど見当たりません。ベルギー料理は多くの食材と香りを巧みに組み合わせて複雑な料理を作る傾向があります(例:フランドル地方のカルボナード、オーステンデのワーテルゾーイなど)。一方、日本料理は引き算を好み、それぞれの食材の持つ純粋なエッセンスを追求していると思います(例:魚にポン酢を少し加えてうま味を引き出すなど)。

また、日本では、他の国の人には淡白または苦味と感じられるような風味も重視し、それらを味わう体験を際立たせる、味覚の静寂の瞬間と捉えているように思います。一方で、両国の食の主な共通点は、食文化の伝統を守る取り組みです。日本は、特に菓子においては羊羹などを見ると昔からのレシピを維持しています。一方、ベルギーは、その遺産の一部である伝統的な料理を守り続けています(例:フランドル地方のシチュー、リエージュのハレ、ワーテルゾーイなど)。

料理の味や作り方には共通点はあまりありませんが、古くからの伝統を重んじる点は通ずるものがあると思っています。伝統と現代性を融合させる能力、職人技への深い敬意、高い品質基準を持つ日本は私にとって特別です。2026年に、この愛すべき日本に出店してから25周年を迎えるのは大変感慨深いことです。

日本でカフェも多く展開されていますが、チョコレートのほかに人気の商品はありますか。また日本人にも好まれるピエール マルコリーニの美味しさの秘密とは何ですか。

「Bean to Home®」の理念のもと、カカオ豆の選定から焙煎、製造に至るまで自社で手掛けた創造力溢れるチョコレートを手掛けるショコラティエ(チョコレート職人)に加え、パティシエ(菓子職人)、グラシエ(アイスクリーム職人)、コンフィズール(砂糖菓子職人)という4つのディプロマ(国家資格)を持つマルコリーニ氏ならではの、焼き菓子やパフェ、アイスクリームが人気なのだそう。

タービネミニュットとマカロン

タービネ ミニュット(ダブル)とマカロン ©︎Pierre Marcolini Japan

中でも、いつでもできたてを味わえるアイスクリーム「タービネ ミニュット」は店内の特別なマシンで作っており、シルキーで軽やかな舌触りが特徴です。

 

取材協力:(株)PIERRE MARCOLINI JAPAN

PIERRE MARCOLINI(ピエール マルコリーニ)
https://pierremarcolini.jp/