大航海時代からのロマンが今も続く、ポルトガル愛に溢れた『ドース・イスピーガ』 | 観光アクセスガイド

大航海時代からのロマンが今も続く、
ポルトガル愛に溢れた
『ドース・イスピーガ』

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2025.8.13

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甘いトウモロコシの穂を意味する『ドース・イスピーガ』は、東京・神田小川町あるポルトガル菓子の専門店。

『ドース・イスピー』の外観

©︎ Travel Europe

オーナーの高村さんは、地元の栃木県で出会ったポルトガル人がキッカケで、1年間ポルトガルの北の都市ブラガに滞在。教会とカフェが多いこの街でポルトガル人の、人の良さと温かさに触れ、それがきっかけで帰国まであと半年というところで「ポルトガルと日本を何らかの形で繋いでみたい」という考えを抱いたまま帰国しました。

日本の中では限られたポルトガルのレストランやカフェに足繁く通う中で、ポルトガル人の女性シェフがやっていた地下にあったレストランで、ホールから入りデザート担当になるまで頑張りました。その時に覚えた一品が「パステル・デ・ナタ(エッグタルト)」でした。
ある日ポルトガルにまた行ってみたいと思い2度目のポルトガルへ。

2度目の滞在は数ヶ月でしたが、様々なお店で素朴なお菓子を見てまわり作り方を学びました。時には図書館に通いレシピを調べ自分で作る毎日。当時のポルトガルは有名店でも他のお菓子と同じように「パステル・デ・ナタ」が陳列されていたので、チェーン店はありませんでした。帰国後、昔働いていたレストランの元同僚たちとランチを食べながら「これからどうするの?」という問いに、数ヶ月滞在した時のポルトガルを思い出しながら、頭に浮かんだその風景は、リスボンのお土産屋さんの店先のマネキンが着ていたTシャツの「I❤️LISBOA」(❤️はナタの形)の文字でした。

帰国後、2010年3月から約2年間、工房を四谷三丁目につくり、働いている人たちに元気が出るような「おやつ」に食べていただきたい思いで、四谷や半蔵門界隈で焼きたてのナタを三輪自転車で販売を始めました。ナタは日持ちがしないスイーツの代表格、「イチジクのチーズ」は冷蔵で3ヶ月くらい日持ちする練り菓子、この2つから始まりました。

『ドース・イスピーガ』の内装

©︎ Travel Europe

2017年7月1日に小川町でお店を開業。その時には、現在のようなレシピが増え、本場ポルトガルの味を日本で伝えたいという思いをお店の仲間と共に共有しています。防腐剤、人工甘味料など一切使わず、冷凍もしないので地方発送はできません。直接お店に来てもらい、お菓子を販売しています。

ドース・イスピーガの陳列棚

©︎ Travel Europe

ドース・イスピーガの陳列棚

©︎ Travel Europe

ナタは人気があり、現在は注文から1ヶ月〜2ヶ月先にお店で受け取る形で予約販売しています。表面がカリッと焼き上がり、中にはポルトガルで昔から伝わるレモンとシナモンが香るトロトロのカスタードクリームが入っています。ポルトガルは大航海時代に豊富な食材の中で砂糖が多く使えたことが、一番のスイーツの歴史にとって重要だそう。砂糖のヨーロッパでの利権をポルトガルがとったのも大きな要因です。当時の修道院で卵の黄身と砂糖から名物のナタが生まれました。

パステル・デ・ナタ

©︎ Travel Europe

ポルトガル菓子はたくさんの砂糖と卵と小麦粉を使います。今は少し甘みが抑えられている店もありますが、本来は砂糖を大量に使用します。小麦粉の代わりにアーモンドを使うこともあります。その理由はポルトガルの郊外の山にはアーモンドの木がたくさんあるからだそう。

イチジクのケーキやオレンジケーキ、ポルトガルの硬めのプリン、そしてナタ。ポルトガルの路地裏にあるお菓子屋さんのような佇まいのこのお店のショーケースの中にはそんな種類のお菓子が並んでいます。

ドース・イスピーガのスタッフとスイーツ

©︎ Travel Europe

ポルトガル愛を感じる店内で本格的なポルトガルの素朴なお菓子を楽しんでみてはいかがですか?

取材協力:ドース・イスピーガ

(取材年:2025年)

※内容は変更される可能性があります。最新情報は公式ウェブサイトなどでご確認ください。

DOCE ESPIGA

〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3-2 サツキ会館1FGoogleマップ
7時00分〜18時00分 (土曜日:7時00分〜15時30分)

定休日:日曜日

開館時間や営業時間、定休日は変更になる可能性がありますので、事前にご確認ください。

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